臨床血液
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42 (EL-51)
急性GVHDの治療
村田 誠
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2016 年 57 巻 10 号 p. 2176-2182

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抄録

同種造血幹細胞移植後の急性GVHDは一般にgrade II以上が治療適応となる。標準一次治療はメチルプレドニゾロン2 mg/kgであるが,軽症例に限って0.5~1.0 mg/kgも経験的に投与されている。それらの有効率はドナーとの組み合わせによって異なり40~70%程度である。一次治療開始5日後にGVHDの改善がみられない場合,もしくは3日後の時点で増悪がみられた場合には,二次治療を考慮する。ただし本邦では選択できる薬剤が少ないこともあり,一次治療開始2~3週後に二次治療開始の判断を行うこともある。標準二次治療は確立されていない。本邦では抗胸腺細胞グロブリン製剤と間葉系幹細胞製剤が,急性GVHDに対する治療薬として保険承認を得ている。GVHD治療法に関する新しいエビデンスの発信が期待されている。

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© 2016 一般社団法人 日本血液学会
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