昭和医学会雑誌
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有鈎義歯誤飲による十二指腸空腸脚穿孔の1例
高野 裕石井 博草野 満夫加藤 貞明丸山 正董古川 俊隆
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キーワード: 有鈎義歯, 誤飲, 消化管穿孔
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2003 年 63 巻 4 号 p. 443-446

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抄録

口腔内の異物, 義歯などは食餌と共に誤飲する可能性が高い.また, 異物誤飲にて合併症をひきおこすものは稀であり大部分は自然排泄される.今回, 有鈎義歯が十二指腸空腸脚に穿孔を起こした症例を経験したので報告する.症例は82歳, 男性.食事の際義歯を誤飲したため近医受診.経過観察したが義歯が排出されないために当院紹介となる.内視鏡にて摘出を試みるが十二指腸水平部付近に嵌頓していたため摘出不可能であった.また, レントゲン上も変動がないため手術施行した.Treitz靱帯よりやや肛門側に義歯のブリッジの金属が穿孔していた.穿孔部位を切開し, 義歯を摘出した.同じ部位に長期停滞している症例は穿孔などの合併症も考えての管理等が必要である.

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