2004 年 12 巻 2 号 p. 106-115
本研究は,看護者のバーンアウトとパーソナリティー特性との関連を検討するため,総合病院に勤務する看護者1876名を対象にMaslach Burnout Inventory(MBI),NEO-FFI等からなる質問紙調査を行い,有効回答の得られた1449名を分析,検討した.その結果,MBIの情緒的消耗感(EE)は主に神経症傾向(N)や誠実性(C)と関連がみられた.脱人格化(DP)は,主に調和性(A),神経症傾向(N),外向性(E)および誠実性(C)と関連がみられた.達成感(PA)は外向性(E)や誠実性(C)および開放性(O)と関連がみられた.また階層的重回帰分析から,個人的属性項目(性別,年齢,趣味の有無,相談者の有無)はバーンアウト得点の分散の4~8%を説明するに留まっていたが,パーソナリティー特性はバーンアウト得点の分散の約20%を説明していた.