2012 年 101 巻 7 号 p. 1953-1959
発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH)は,補体介在性の血管内溶血とそれに伴うヘモグロビン尿,血栓症,骨髄不全を3大症状とする.PNHの診断には,1%以上のPNH型赤血球を証明し,かつ溶血所見を認めることが重要である.PNHの溶血に対する治療薬としてヒト化抗C5単クローン抗体であるエクリズマブが開発され,顕著な溶血抑制効果が示された.エクリズマブは溶血のみならずPNHの多くの症状を改善し,患者の生活は一変した.