1999 年 88 巻 1 号 p. 135-137
症例は50歳,男性,喀痰の増加を主訴に精査,気管支鏡下肺生検で肺胞蛋白症と診断,気管支肺胞洗浄液と喀痰の培養からAspergillus flavisが検出された.抗真菌薬の投与にもかかわらず血痰が増加し,右肺上葉切除術を行ったところ,胸部X線写真, CT上肺胞蛋白症の所見の改善が認められた.肺胞蛋白症は肺感染症や悪性腫瘍,有害物質の吸入後に続発することがある.本症例は,肺アスペルギルス症の手術後に無処置で肺胞蛋白症の改善がみられ,肺アスペルギルス症と肺胞蛋白症との関連が示唆された.