日本内科学会雑誌
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I.総合診療の必要性:歴史的・社会的背景
小泉 俊三
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2003 年 92 巻 12 号 p. 2319-2325

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抄録

本稿では西洋医学の受容過程に始まる一連の歴史も含め,わが国総合診療の生い立ちを概説する.天理よろづ相談所病院,川崎医科大学,佐賀医科大学(現佐賀大学医学部)等に総合診療部が開設された頃から,関係者の間では,米国で家庭医療学と総合内科学との間に起こった歴史的なボタンの掛け違いの轍を踏まないことが合言葉になってきたが,日本総合診療医学会の発足に当っては, 1. Generalistとしての基本的価値観(Core Value) 2. EBM (臨床疫学) 3. QOL評価とNarrative 4.基本的臨床能力の教育5.医療の質改善の5点が強調された.また最近ではプライマリ・ケア教育連絡協議会の場で専門医制をはじめとする将来像が討論されている

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