日本臨床免疫学会会誌
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原発性シェーグレン症候群における肝障害の検討
青木 昭子桐野 洋平石ヶ坪 良明瀬沼 昭子長岡 章平
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2004 年 27 巻 6 号 p. 397-401

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抄録

  【目的】 原発性シェーグレン症候群(SS)の腺外症状としての肝障害を検討する.【対象と方法】 155例(女150男5).血清AST, ALT, ALP, γ-GTPのいずれかが1ヵ月以上高値を持続または外来で3回以上高値を示した場合肝障害とした.黄疸,腹水,掻痒感などの自覚症状,脾腫,食道静脈瘤などの所見を有する場合症候性肝障害と判断した.【結果】 20例(13%)が肝障害を呈したが,症候性は3例(2%)のみであった.原因はPBC 6例,自己免疫性肝炎(AIH)2例,HCVとAIH合併1例,脂肪肝1例,不明8例であった.AIHとC型肝炎合併1例で肝がんを合併した.肝障害合併群では有意に皮膚病変,神経病変の合併率が高値であった.肝障害合併群では抗核抗体,リウマトイド因子,抗セントロメア抗体陽性例が有意に高率であった.【結語】 SSでは症候性の肝障害を合併することは稀であるが,肝酵素を定期的に調べて肝障害を早期発見することが必要であると考えた.

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© 2004 日本臨床免疫学会
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