従来の人工呼吸回路の欠点を改良するため, 二重管式人工呼吸回路を製作し, 基礎及び臨床実験により, 臨床に十分利用出来ることを確認したので報告する.
二重管式呼吸回路では吸気側回路の断面積が小さいため, 回路抵抗の上昇を認めたが, 臨床上は特に問題にならないことが判った. 二重管構造の特徴として, 吸入ガスの温度及び湿度保持が可能で, 加温加湿器と患者接続部との温度格差が少なく, また貯留水分量も有意に少ないことが判った. この他, 本回路は軽量化, 患者まわりの簡素化, 感染予防のためのディスポーザブル化などが特長である.