西日本皮膚科
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治療
そう痒性皮膚疾患に対するベシル酸ベポタスチンの有効性と安全性の検討
—VASによる止痒効果および眠気程度の評価—
高橋 英俊飯塚 一
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2006 年 68 巻 3 号 p. 284-287

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抄録

ベシル酸ベポタスチンは鎮静効果が比較的弱く,即効性のある薬剤として各種そう痒性皮膚疾患に使用されている。今回,91例のそう痒性皮膚疾患に対してベシル酸ベポタスチンを投与し,その前後でVASスケールを用いてそう痒および眠気の推移について検討した。そう痒に関して投与前の平均VASスコアは60.6から投与1週間後では24.9と有意にスコアの低下がみられ,その効果は8週間投与観察期間中持続した。一方,眠気についてはベシル酸ベポタスチン内服後VASスコアの有意な上昇はみられなかった。また,投与前そう痒が強く,睡眠が障害され,投与前の眠気VASスコアが上昇していた症例では,ベシル酸ベポタスチン投与によるそう痒の改善から有意に眠気のVASスコアの改善がみられた。以上の結果からベシル酸ベポタスチンはそう痒性皮膚疾患に対するそう痒抑制効果が強く,眠気の副作用が少ない有用な薬剤であることが明らかとなった。

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© 2006 日本皮膚科学会西部支部
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