肝臓
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ヒト肝内胆管癌の株化(CCKS1)樹立
齋藤 勝彦湊 宏河野 尚子中沼 安二石田 文生小杉 光世
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1993 年 34 巻 2 号 p. 122-129

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抄録

60歳男性の肝内胆管癌患者の腹膜転移巣から,コラーゲン・ゲル上microexplant培養法を用いて癌細胞を純化し,ヒト肝内胆管癌細胞株(CCKS1)を樹立した.まず,摘出した腹膜転移巣をヌードマウス皮下に移植し,増殖した腫瘍組織を細切してコラーゲン・ゲル上で培養した.癌細胞はゲル上に進展増殖し,間質細胞はゲル内に増殖した.癌細胞の増殖先端部を間質細胞の混入がないように切り出すことで癌細胞を純化した.純化した癌細胞は現在100代を越えて継代維持しており,その倍加時間は約60時間で,単クローン性に増殖し,染色体数は63個であった.CCKS1は上皮性結合を示す多角形細胞で,シート状単層性に増殖し,粘液産生が認められ,CEA, CA19/9が陽性であった.また,電顕上,上皮性細胞接着機構と微絨毛が認められた.ヌードマウスへの再移植が可能であり,腹膜転移巣の癌組織と同様の中分化型腺癌を示した.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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