2007 年 21 巻 7 号 p. 912-916
症例は72歳,女性.5年前に回盲部に発症したsolitary fibrous tumor(SFT)の腫瘍切除を受けたが,同腫瘍の肺転移に対し術後2年と術後4年に肺部分切除を施行された.その後定期的に外来経過観察が行われていたが,胸部X線写真上急速に増大した同腫瘍の再発が左肺に認められ,手術目的で入院となった.腫瘍は左上葉内に存在し,左上葉切除を施行した.翌日の胸部X線写真では異常を認めなかったが,術後7日の胸部X線写真で明瞭な結節影が出現した.腫瘍の見落としもしくは再発と考え,術後14日目に部分切除を施行したが,病理報告では胸膜下血腫であった.