日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
筋生検で見出される Polyglucosan body と加齢
朝長 正徳斉藤 光典長沢 治夫田渕 正康
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1983 年 20 巻 4 号 p. 330-334

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抄録

1歳より90歳におよぶ生検筋790について, 筋内神経の intraaxonal polyglucosan body の出現頻度および微細構造について検討し, 次の結果を得た.
1) 86筋でみられた神経枝のうち, 8筋に polyglucosan body をみとめた (9.3%).
2) 出現例の年齢はすべて54歳以上であった.
3) 原疾患は種々であった.
4) 筋病変は, 神経原性, 筋原性ともにみとめられた.
5) Polyglucosan body を示す神経枝の半数に脱髄や繊維化がみとめられた.
6) Polyglucosan body は, PAS陽性で糖質をふくみ, 電顕的には繊維状構造物で, corpora amylacea (アミロイド小体) と全く同様の性質をしめした.
この病変は, 高齢者に非特異的にみいだされる軸索変性像の一つと考えられる.

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