食品衛生学雑誌
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イヌサフランのPCRによる簡易迅速鑑別法
寺井 朗子 萩野 賀世浅倉 弘幸大貝 真実柳原 碧木村 圭介田中 智哉觀 公子中村 耕荒金 眞佐子中野 久子門間 公夫笹本 剛生
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2018 年 59 巻 4 号 p. 174-182

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抄録

イヌサフラン(Colchicum autumnale)は,ヨーロッパから北アフリカ原産の多年草で有毒植物である.食用であるギョウジャニンニクなどと外観が類似しているため,誤食による食中毒が発生している.形態観察や有毒成分の検出が困難な少量の試料からでも,イヌサフランであることを迅速に鑑別することを目的として,PCR法を検討した.イヌサフランのリボソームDNA中のinternal transcribed spacer (ITS) 領域をPCRにより特異的に増幅するプライマー対を新規に作製した.イヌサフラン9試料および48種類の農作物等から抽出したDNAを用いて,今回作製したプライマー対によるPCRを行った結果,イヌサフランのみを特異的に検出し,また,調理および人工胃液による消化を受けた試料についても検出可能であった.本PCR法は,イヌサフランに特異性が高く,迅速な鑑別に有用であることが確認された.

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© 2018 公益社団法人 日本食品衛生学会
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