日本腰痛学会雑誌
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〔投稿論文〕
骨粗鬆症性椎体骨折の椎体癒合不全例について
吉田 徹見松 健太郎笠井 勉
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2002 年 8 巻 1 号 p. 166-172

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抄録

骨粗鬆症性脊椎骨折例で治療の経過中にX線像で骨折椎体にvacuum現象を呈した12例(男1例,女11例,平均年齢75.6歳)について調査した.平均経過観察期間は9カ月.骨粗鬆症性椎体骨折での椎体vacuum現象は,胸,腰椎移行部にみられ,椎体骨折発症後平均2.3カ月で発現した.骨折治療期間に脊柱後弯を矯正することを目的に脊柱の伸展運動や仰臥位で臥床していた例に発現する傾向があった.椎体癒合不全は,脊柱の伸展運動の制限と仰臥位臥床の禁止の保存療法で骨折椎体のvacuum像消失し,疼痛も消失したのが6例,vacuum像縮小し,疼痛消失したのは2例,vacuum像あるが疼痛軽減したのが4例であった.

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© 2002 日本腰痛学会
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