2023 年 72 巻 1 号 p. 49-100
日本アイソトープ協会では1982年から5年ごとに専門委員会を設けて全国核医学診療実態調査を行っており,第9回調査を2022年6月に行った。回答回収率は90%超であった。年間推定検査件数は単光子放出核種を用いた核医学検査が前回より2.7%増加した一方で,PET検査は約1.5%減少した。この結果,核医学検査総数は1.0%増加した。非密封RIを用いた核医学治療は131I-MIBGによる褐色細胞腫・パラガングリオーマや177Lu-ルテチウムオキソドトレオチドによる神経内分泌腫瘍の治療が新規に開始されたが,223Raと131Iを用いた治療件数の減少や一部薬剤の供給停止もあり,全体で17.7%減少した。核医学検査の総数はあまり変わらないが,核医学治療が大きく変化していることが示された。