1993 年 46 巻 2 号 p. 215-218
1980年から1989年までの10年間に教室で経験した単発結腸癌治癒切除例210例中,術後吻合部再発をきたし,再切除を行ったのは3例(1.4%)である.初回切除標本の腫瘍占居部位は全例S状結腸であり,AWは5~10cmであった.全例壁深達度はs,リンパ節はn1(+)であり,ly因子はly2-ly3であった.再切除標本では,壁深達度は2例がsで,1例がpm,リンパ節転移は1例にみられたが,ly因子はly0-ly1と軽度であった.結腸癌術後吻合部再発の成因として,ly因子の他にimplantationの関与があるが,これらを文献的に考察した.