日本臨床外科学会雑誌
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胃内分泌細胞癌の1例
矢野 佳子前浦 義市山崎 恵司北條 茂幸遠藤 和喜雄岡本 茂
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キーワード: , 内分泌細胞癌
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2003 年 64 巻 2 号 p. 352-355

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抄録

内分泌細胞癌は別名小細胞癌ともいわれ,肺に好発するが,胃に原発するものは稀であり,また通常型腺癌に比し予後が悪い.今回われわれは,胃原発内分泌細胞癌の1例を経験したので報告する.症例は76歳の男性.平成13年4月より心窩部痛があり, 6月18日精査加療目的にて当院外科入院となった.胃透視,胃内視鏡検査にて胃角を中心に幽門部~体中部の小彎から後壁に至る長径5cmの3型腫瘍を認め,生検にて低分化型腺癌と診断.術前腹部CT,超音波検査にて肝転移は認めなかったが,小彎リンパ節の腫大を認めた. 7月3日幽門側胃切除術, D2郭清, Roux-Y吻合施行.術後病理学的検査にて,腫瘍細胞はGrimelius, chromogranin A, neuron specific enorase陽性であり,分裂像も多く内分泌細胞癌と診断された.胃原発内分泌細胞癌は,予後が悪いとされるが,術後1年3カ月の現在再発を認めず外来通院中である.以下若干の文献的考察を加え報告する.

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