日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
機能的端々吻合線上に局所再発をきたしたS状結腸癌の1例
若山 顕治前田 好章篠原 敏樹濱田 朋倫内藤 春彦
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 68 巻 8 号 p. 2024-2027

詳細
抄録

症例は74歳, 女性. 前医でS状結腸癌 (中分化腺癌) に対しS状結腸切除, D3郭清, 機能的端々吻合再建を施行された. 術後20カ月, 血便, 便線の狭小化の精査のために施行された大腸内視鏡検査で吻合部のstaple line上に2型腫瘍を認め, 手術加療目的に当院紹介となった. CT検査で右肺上葉腫瘍も認めた. 初回手術時の吻合部を含めた高位前方切除, D1郭清を施行し, 2期的にVATS右上葉切除も施行した. 病理組織検査で, S状結腸吻合部の病変は中分化腺癌と診断され, 初回手術時の吻合操作による腫瘍細胞のimplantationによる再発が示唆された. 右肺上葉の腫瘍も中分化腺癌, S状結腸癌肺転移と診断された. 術後FOLFIRI療法を施行し, 術後8カ月経過した現在再発を認めていない.

著者関連情報
© 2007 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top