日本臨床外科学会雑誌
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症例
微小リンパ節転移をきたした早期胃小細胞癌の1例
赤池 英憲花村 徹三井 文彦千須和 寿直宮澤 正久巾 芳昭宮田 和幸
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2010 年 71 巻 3 号 p. 690-695

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抄録

58歳男性.検診の上部消化管造影検査にて,胃の異常陰影を指摘され当院受診.上部消化管内視鏡検査にて幽門部後壁にIIc病変を認めた.同部位からの生検にて胃癌(低分化腺癌)と診断され当科紹介.術前診断T2(MP)N0M0,StageIBにて幽門側胃切除術を施行した.術後の病理検査所見で索状・敷石状構造を示す部位を認めた.同部はsynaptophysin陽性であり胃小細胞癌と診断された.深達度はSMで早期癌であったが,No.6に2個の微小リンパ節転移を認めた.
胃小細胞癌は極めて予後不良であり,早期より脈管侵襲や転移を起こしやすいことが,その一因と考えられている.本症例は早期癌であったが,リンパ節に微小転移をきたしていた.胃小細胞癌においては,早期癌であっても微小転移が存在している可能性が高いと考え,治療することが必要と考える.

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© 2010 日本臨床外科学会
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