2012 年 73 巻 3 号 p. 648-653
症例は70歳,女性.舌癌術後の定期検査のMRI検査で肝外側区域に直径約3cm大の腫瘤を指摘された.ダイナミックMRI検査ではT1強調画像で早期より濃染し,平衡相まで造影効果が遷延していた.またT2強調画像では高信号であった.経皮肝生検を施行し免疫染色にてHMB45染色が陽性であったため肝血管筋脂肪腫と診断した.その後も短期間に増大したため,手術適応と判断し,腹腔鏡下に肝部分切除を施行した.摘出標本は直径2cm大の黄褐色の腫瘤で,病理学的にHMB45染色などで肝血管筋脂肪腫と最終診断された.術後経過良好で術後9日目に退院した.経皮生検で診断後も短期間に増大したため切除した肝血管筋脂肪腫の1例を経験したため報告する.