日本耳鼻咽喉科学会会報
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良性発作性頭位めまい症の臨床的検討と耳石器機能
武田 憲昭肥塚 泉西池 季隆北原 糺荻野 仁久保 武
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1997 年 100 巻 4 号 p. 449-456

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抄録

典型的な眼振を認めた良性発作性頭位めまい症 (BPPV) 患者36例の, 臨床的検討を行った. 性差なく, 発症の平均年齢は55歳であった. 大部分の症例では, 2カ月以内にめまいは消失した. 偏中心性回転刺激 (ECR) における前庭動眼反射 (VOR) の利得の増加を耳石器機能の指標として, BPPV患者25例について耳石器機能を評価した. BPPV患者では, 健常成人で観察されるECRによるVORの利得の増加が認められなかった. この結果は, BPPV患者における卵形嚢の機能異常を意味している. 障害された卵形嚢から脱落した耳石が, 半規管内結石になり頭位めまいが引き起こされると推定した.

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