日本視能訓練士協会誌
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間歇性外斜視の斜位化を目的とした視能訓練
松本 富美子大牟禮 和代富山 園子谷田 清美田野上 恭子大鳥 利文
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1997 年 25 巻 p. 157-163

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抄録

間歇性外斜視の症例に対し,斜位化を目的とした視能訓練を行なった。症例は5例で,年齢は8歳~13歳8ヵ月,斜視角は,近見時は20Δ~25Δ,遠見時は10Δ~20Δであった。訓練方法は,Flashing methodによる抑制除去訓練,Framing cardによる生理的複視認知訓練, Stereo cardやプリズムによる融像訓練を順次行なった。抑制除去訓練は院内で,他の訓練は主に家庭で1日2~3回,1回5~10分程度行ない,全訓練期間は平均14.6週間であった。結果,訓練前は間歇性外斜視であった5例全例が,訓練後には抑制が除去され融像力が強くなり,各むき眼位や各距離で安定した外斜位になった。間歇性外斜視に対する視能訓練は有用で,特に抑制除去訓練を行なうことが斜位化するために有効であると考えた。

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