2009 年 24 巻 3 号 p. 350-362
血管肉腫は高齢者の頭部・顔面に好発する予後不良な悪性腫瘍である。一般的に,外科治療・化学療法・放射線療法・免疫療法を組み合わせて治療するが,局所再発や肺転移を起こすことが多く,治療に難渋する。方法:今回我々は,日本皮膚外科学会で行っている頭部・顔面に発症した血管肉腫患者260例のアンケート結果を分析し,予後因子・治療について検討を行った。結果:全体の5年生存率は9%であった。年齢が70歳以下,潰瘍形成のない症例で生存率が高く,治療では,組織学的に腫瘍の残存がない手術施行群および化学療法施行群が生存率を改善する可能性が示唆された。