2002 年 22 巻 1 号 p. 23-32
本研究は ADL ギャップ自己効力感尺度を開発し, 慢性期の運動機能障害があり運動リハビリを受療中の在宅要介護高齢者146名を対象に, その信頼性と妥当性を検討した. 本尺度は主成分分析とKappa統計による10項目からなる-次元尺度であるが, 信頼性の検討の結果, Cronbach'α係数 0.86 で内的整合性があり, テスト・リテスト相関係数 0.74 で中等度の安定性も認められた.
構成概念妥当性は本尺度と ADL ギャップ及び本尺度と抑鬱度との関連性より検討し, 双方に有意な相関が認められ支持された. 併存妥当性は本尺度と一般的自己効力感との関連性より検討したが, 64歳以下, 男性, 歩行自立者の場合に支持された. 本尺度の予測妥当性は直接的には支持されなかった. しかし, ADL ギャップ自己効力感は ADL ギャップを通して ADL 変化に影響することが示され, 間接的に支持された.