2014 年 54 巻 12 号 p. 1190-1192
特発性正常圧水頭症の中核をなす,disproportionately enlarged subarachnoid-space hydrocephalus(DESH)の形態的変化は,くも膜顆粒からCSFが吸収されるという古典的な学説と,それに基づいた高位円蓋部くも膜下腔の癒着による流れの障壁があるという仮説では説明できない.MRI Time-SLIP法をもちいたCSFの動きの観察から,健常者でもDESH患者でも高位円蓋部にはCSFの動きはないことを示し,DESHを説明可能なCSF吸収の仮説を提唱した.