臨床神経学
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症例報告
急性期初回髄液検査で細胞数が正常であった,HIV関連無菌性髄膜炎
石井 亮太郎滋賀 健介諌山 玲名細見 明子徳田 隆彦中川 正法
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2009 年 49 巻 2+3 号 p. 100-103

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抄録

症例は32歳の男性である.後頭部痛と発熱が持続するため第13病日に来院した.髄液細胞数は4/μlと正常であったが項部硬直をみとめたため,髄膜炎と考えられて入院した.血清HIV抗体陽性・髄液HIV RNA量が7.6×105コピー/mlと高値であり,HIVによる髄膜炎と診断した.IgG indexは0.71であった.ウェスタンブロットではp24・p40が陽性であったがgp120・gp41は陰性であり,seroconversion期と考えられた.また,CD4陽性細胞は280/μlと低下していた.HIV感染初期には細胞性免疫が一過性に軽度低下しているため,髄膜炎があっても髄液細胞数が正常のことがあると考え報告する.

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© 2009 日本神経学会
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