臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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症例報告
軸索型多発ニューロパチーを契機として診断にいたった高齢発症の神経線維腫症2型(NF2)の1例
伊関 千書高橋 賛美和田 学川並 透栗田 啓司加藤 丈夫
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2009 年 49 巻 7 号 p. 419-423

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抄録

症例は69歳の男性である.67歳頃から徐々に進行する歩行障害と聴力障害を自覚した.両下肢の遠位筋優位の筋萎縮,靴下型感覚障害がみとめられ,末梢神経伝導検査にて両下肢の軸索型ニューロパチーを呈していた.MRIでは,両側聴神経腫瘍と脊髄・腸腰筋内などに多発する神経鞘腫がみとめられた.NF2遺伝子のexon2に点変異(T161C:L54P)(heterozygous)がみとめられ,神経線維腫症2型(NF2)と診断した.本症例の脊髄・馬尾の多発腫瘍は,大きさと分布から末梢神経の圧排をおこしたとは考えがたく,多発ニューロパチーの原因として軸索・髄鞘自体の異常が推定された.

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© 2009 日本神経学会
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