2016 年 56 巻 5 号 p. 344-347
症例は64歳男性.発熱,意識障害にて緊急入院となった.血液・髄液より髄膜炎菌が培養同定され髄膜炎菌性髄膜炎と診断し,脳MRIにて脳室炎の所見を認めた.セフトリアキソンを17日間投与し軽快したが,投与終了後に再燃を認めた.またβラクタム系抗菌薬の副作用と推定される好中球減少・腎障害が出現した.モキシフロキサシン内服に変更し外来通院を含め計12週投与したが,副作用や投与中止後の再燃は認めず終診となった.一般に髄膜炎菌性髄膜炎は抗菌薬の反応は良好であるが,脳室炎を併発した際には十分な抗菌薬治療期間が必要と考えた.