日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
大腸癌再発例の臨床的検討
池 秀之大木 繁男大見 良裕辻仲 康伸田島 滋飯田 明城 俊明山岡 博之古島 薫大出 直弘土屋 周二
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 20 巻 7 号 p. 1723-1731

詳細
抄録

大腸癌根治手術後の再発の防止および早期発見による治療成績の向上を目的として治癒手術後3年以上経過例における再発について検討を行った. 再発は415例中145例 (34.9%) にみられ約80%は2年以内, 約90%は3年以内にみられた. 再発形式は結腸癌では肝再発が半数をしめ, 直腸癌では局所再発が最も高頻度であった. 再発後5年生存例は3例のみであり, 再発死亡例129例の平均生存期間は11.6ヵ月であった. carcinoembryonic antigen, computed tomographyの導入により特に肝再発の切除率の向上がみられ, 再発巣の切除により生存期間が延長したと考えられる症例もあり, 腫瘍マーカー測定や画像診断などによる定期的なフォローアップを行い早期に再発を診断することが重要であると考えられた.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top