日本顎口腔機能学会雑誌
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光学式顎運動測定装置 (JM-1000T) の臨床的測定精度に関する研究
常盤 肇
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2001 年 7 巻 1 号 p. 13-25

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抄録

我々の開発した光学式三次元6自由度顎運動測定装置の測定精度に関する検討を行った.測定精度の評価には, 新たに考案した評価方法として, (1) 最小二乗法による座標変換を用いた三次元座標測定精度の検定, (2) 自動振子運動装置による蝶番運動を用いた動的測定精度検定, (3) 測定環境の照度ならびに標識点Light Emitting Diode (LED) 保持器具の動揺度による測定精度への影響の検討を行い, 以下のような結果を得た.
1.三次元座標測定精度は±0.12mmであった.
2.動的測定精度は, 中心座標の誤差距離で0.27mm, 半径で0.02mmであり, 繰返し性も高かった.
3.校正時照度より測定環境の照度が明るくなる場合に精度に影響が生じた.
4.静止点座標のばらつきの範囲はいずれも0.1mm以下であり, 頭部動揺補正機能の影響もほとんど認められなかった.
5.被験運動時のヘッドフレームの動揺はほとんど認められなかった.
6.LED発光面の傾斜角が30°になると三次元距離で0.55mmの誤差が生じた.
以上より, 本測定装置は臨床上十分な測定精度を有していることが判明した.

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