学校心臓検診(以下,心臓検診)が始まって半世紀以上が経過している.心臓検診により突然死する可能性のある心疾患児が多数抽出され,突然死の予防に貢献している.小児循環器医も心臓検診から多くのことを学び,心臓検診で得られたデータにより小児循環器学の内容が一新された項目も少なくないと考えられる.心臓検診が特定の地域だけでなく全国的に行われているのは日本だけである,という事実もある.ところがこれらの事実は外国ではほとんど知られていない.心臓検診の学術的,社会的,あるいは費用対効果についての日本からのデータ発信がうまくできていないことを意味している.検診システムを改善しなければならない時期に来ていることも事実である.私たちは心臓検診から得られる情報発信を続ける必要がある.